家のこんな場所に巣が作られやすい
キイロスズメバチは非常に適応能力が高く、私たちが想像もしないような場所に巣を作り、生活圏を築きます。彼らが巣を作る場所の傾向を知っておくことは、早期発見と被害の未然防止に直結します。特に、彼らが好むのは「閉鎖的で雨風をしのげる空間」です。この条件に合致する場所が、私たちの家の周りには数多く潜んでいます。最も注意すべき場所の一つが、天井裏や屋根裏です。普段は人の出入りがなく、暗くて静かな天井裏は、彼らにとって外敵から身を守れる絶好の環境です。壁の隙間や換気口など、わずかな隙間から侵入し、断熱材などを利用して巨大な巣を作り上げることがあります。壁の中から奇妙な羽音やカリカリという音が聞こえたら、壁の内部に巣が作られている可能性を疑うべきです。次に、軒下やベランダの庇も定番の営巣場所です。直接雨が当たらず、高所であるため、彼らにとっては安全な立地となります。エアコンの室外機の内部や、普段開け閉めしない雨戸の戸袋なども、格好の隠れ家となり得ます。見落としがちなのが、庭やベランダに放置されたものです。長期間使っていない植木鉢の中や、物置の隅、あるいは庭木の茂みの中なども、彼らにとっては巣作りに適した場所です。特に、木の洞や土の中といった自然環境に近い場所にも巣を作ることがあるため、庭仕事の際には十分な注意が必要です。キイロスズメバチがこれらの場所を好むのは、巣と女王蜂、そして育ちゆく幼虫たちを安全に守るためです。私たちの生活空間と彼らの防衛本能が交錯するこれらの場所は、常に危険なホットスポットとなり得ます。特に蜂の活動が始まる春先には、家の周りのこれらの場所を定期的に点検する習慣をつけることが、巨大な巣へと成長する前の早期発見につながり、家族の安全を守る上で極めて重要なのです。