施主検査は、家づくりの最終段階であり、施主自身が完成した家をチェックする重要な機会です。しかし、施主は建築の専門家ではないため、どこをどのように見れば良いのか、迷ってしまうこともあるでしょう。そこで、今回は、プロの視点と素人の視点の違いを踏まえながら、施主検査のポイントを解説します。まず、プロの視点とは、建築の専門家である施工業者や設計士の視点です。彼らは、建物の構造や性能、法規などを熟知しており、専門的な知識に基づいて検査を行います。例えば、建物の傾きや歪み、断熱材の施工状況、配管の接続状況などを、専門的な道具や知識を使ってチェックします。また、図面通りに施工されているか、契約内容と相違がないかなども、細かく確認します。一方、素人の視点とは、施主であるあなたの視点です。あなたは、建築の専門家ではありませんが、実際にその家に住む人です。そのため、住み心地や使い勝手、デザインなどを、自分の感覚でチェックすることが大切です。例えば、ドアの開閉がスムーズか、窓からの眺めはどうか、収納スペースは十分か、コンセントの位置は使いやすいかなどを、実際に生活する場面を想像しながら確認します。また、壁や床の傷、クロスの剥がれ、建具の不具合など、見た目でわかる不具合も、しっかりとチェックしましょう。プロの視点と素人の視点は、それぞれ異なる役割を持っています。プロの視点は、建物の安全性や性能を確保するために重要であり、素人の視点は、住み心地や使い勝手を確保するために重要です。施主検査では、両方の視点をバランス良く持ち、しっかりと確認することが大切です。もし、自分だけでは不安な場合は、専門家である第三者機関に依頼して、一緒に検査してもらうのも良いでしょう。